SASにはいびきを伴うことがよくあります。いびきは、気道が狭くなって笛のように気道壁が震えることによって生じます。特に、無呼吸から呼吸が再開するときに大きないびきをかくことがあります。いびきをかいていると気持ちよく眠っているように見えるかもしれませんが、実際には気道が狭くなって空気の通りが悪い状態になっています。一時的ないびきであれば問題ありませんが、慢性的ないびきがある場合には注意が必要です。
SASの方は、睡眠をとっているつもりでも脳は眠れていません。本来の睡眠が取れず熟睡感がないため、日中ボーっとしたり、うとうとしやすくなったりします。
睡眠は体と脳を休める大切な時間です。適切な睡眠をとれないと、日中の作業効率が低下したり、集中力がなくなったりします。
無呼吸により胸腔内圧の高度陰性化、心臓にもどってくる静脈血の増加により、睡眠中に心臓に負担がかかり利尿ホルモンが持続分泌することが原因の1つと考えられています。また通常、寝ている時は副交感神経が優位になっていますが、SASの場合、眠っている間でも脳が起きている状態になっているので交感神経が優位になっています。尿は交感神経が優位になっている時に作られるので、夜間のトイレの回数が増えるわけです。ただ、中高年男性の場合は前立腺疾患との鑑別も重要です。